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労働者不足を解消するために。キーワードは「採用」「離職率」「人材育成」

1974年に出生率が2.05と人口置換水準である2.07を下回り、その後も出生率の低下傾向が続いたことにより始まった「少子化」。1970年には「高齢化社会」と定義された水準の高齢化率(総人口に占める割合)7%を超え、2022年10月時点で高齢化率は29.0%になっています。

1990年代半ばには、15~65歳の生産年齢人口が減少に転じ、2008年からは総人口が減少しています

統計ダッシュボード (https://dashboard.e-stat.go.jp/)のデータを加工して作成

生産年齢人口および総人口が減少すると、労働力の供給が減少し、労働力不足が生じます。そのため、企業の生産性や競争力が低下し、経済成長が抑制されることが懸念されます。
また、市場規模が縮小し、消費や投資が低下することによって、経済成長が鈍化し、景気後退や不況のリスクが高まる可能性があります。

企業は発展性の乏しい国内事業への資金・設備投資を控え、従業員の雇用を減らします。雇用機会の減少は経済的不安を与えます。
そのほか、人手不足により長時間労働が常態化し、ワーク・ライフ・バランスが悪化することで、出産を控える若年層が増え、さらに少子化が進むという悪循環につながるおそれもあります。

人手不足を感じている多くの企業では、主力従業員の高齢化も問題となっています。
企業を支える熟練の従業員が定年退職すると、生産力の低下は避けられません。
また、生産年齢人口の減少による人材獲得競争の激化で、若年層の社員を新たに雇うことも難しくなります。

この記事では、労働者不足に対する対策について解説します。

労働者不足を解消するための方法

従業員数は「採用」と「離職」で変動します。

1.採用を強化する取り組み

採用力を強化することは企業の成長と競争力維持にとって極めて重要です。優秀な人材を獲得するためには、効果的な採用戦略が必要です。

知名度が高い企業は、求職者にとって魅力的な職場であると認識されやすく、競争が激しい人材市場では、企業の知名度が採用力に直結します。
また、信頼性や安定感があると見なされやすく、ポジティブなイメージを構築することができます。

知名度を上げるために、ウェブサイトやソーシャルメディアを活用して企業の存在感を高めたり、就職支援イベントへの参加やキャリアセミナーの開催などを通じて企業を知ってもらう取り組みをしましょう。

②求職者に対する訴求力を高める

求職者に「ここで働きたい」と感じてもらうためには、求職者にとって魅力的な職場環境や仕事の魅力を伝える必要があります。

最近の傾向では、人的資本経営の強化を推進し、その一環として、企業の存在意義を表す「パーパス」を策定し、従業員の自社に対する愛着や忠誠心を高めることにより、エンゲージメントを高めることに取り組む企業も増えてきています。

加えて、社員割引や退職金制度などの福利厚生や、柔軟な働き方やワークライフバランスの取り組みなど、求職者に対して訴求力のある自社の魅力やイメージを構築し、求人媒体やイベントなどで発信しましょう。

③採用のミスマッチを防ぐ

採用後に「想像と違った」という理由から早期に退職してしまう人も少なくありません。
そのようなことがないよう、求人要件を明確に定義し、必要なスキル、経験、資格などを明示しましょう。

また、求職者が求める役割や職場環境についても理解し、それに合致する人材を採用するよう心がけます。

近年実施する企業が増えてきているカジュアル面談は、企業の文化や働き方に適合するかどうかを確認するために有効です。

求職者は、自分が快適に働けるかどうかを判断しやすく、企業の雰囲気や価値観に合うかどうかを評価する機会が得られます。

2.離職率を下げるための取組み

離職率を下げるための取り組みは、従業員の満足度や関与度を高め、労働環境を改善することに焦点を当てることが重要です。

①労働環境の整備

長時間労働や過度の労働は、従業員の健康や生産性に悪影響を与える可能性があります。
適切な休息時間を確保することで、ストレスの軽減や心身のリフレッシュをさせ、仕事に対する集中力が高まります。疲れやストレスが蓄積されることなく、効率的に作業を行うことができます。

労働時間の適正化や休息時間の確保、長期休暇や特別休暇、フレックス休暇など、様々な制度の導入などを通じて、従業員の健康とワークライフバランスを促進します。

その他、オフィスの快適性向上や労働環境の安全確保、清潔さの維持など、職場改善の取り組みも行うと良いでしょう。

②柔軟な働き方の導入

退職者のなかには、ネガティブな動機から企業から離れていった従業員だけではなく、出産や育児、介護などをきっかけに退職せざるを得ないケースもあります。

様々な生活スタイルやライフステージに合わせて、従業員が柔軟に働ける環境を整備することで、従業員のニーズに応えることができます。例えば、子育て中の従業員や通勤時間の長い従業員にとって、時短制度やフレックスタイム、リモートワークの導入は大きなメリットとなります。

③評価制度の見直し

自身の業績や努力に見合った評価が得られないと感じた場合、離職する従業員も少なくありません。どれほど仕事内容にやりがいを感じていたとしても、頑張りに見合った評価が得られなければ、従業員のモチベーションは低下してしまいます。

それぞれの従業員に適切な評価をするためにも、人事評価制度を見直すことは欠かせません。従業員に対して明確な目標と期待を設定し、それに基づいた成果を評価することで、仕事に対する期待や評価基準を理解しやすくなり、モチベーションの向上や成果の最大化が期待できます。

企業が従業員のニーズや要望を理解し、適切な対策を講じることで、離職率を低減することができます。従業員の声を聞き、問題点に対処することで、企業と従業員の関係を強化し、離職を防ぐことができるでしょう。

人材育成の重要性

生産年齢人口の減少により、優秀な人材が大企業に流れていく傾向にあります。したがって、限られた人材を育成する必要性があります。

従業員の教育は、労働力を育成するための基盤となります。特に若手従業員が適切なスキルや知識、能力を身につけることで、組織が将来にわたって持続的な成長と発展を実現するための人材を確保できます。

人材育成を推進させるには、従業員の自発的な学習が必要です。そのためには企業の成長と従業員の個人的な成長の両方が重要になります。

企業の成長を促すポイント

・明確なビジョンと戦略

企業は人材育成の重要性を理解し、その方向性や目標を明確に定めます。人材育成に関するビジョンや戦略を策定し、組織内で共有することで、全体の方向性を明確にしましょう。

・投資とリソースの提供

人材育成のためには教育プログラムやトレーニング資材、専門的なコンサルタントや講師などへの投資を行い、従業員の成長を支援するための必要なリソースを提供する必要があります。

・成果の評価と報酬の提供

従業員の成長と成果を評価し、適切な報酬を設定することが重要です。成果に応じた報酬やキャリアを活かす機会を提供することは、従業員のモチベーションややりがいを高め、育成プログラムへの参加意欲を促進します。

従業員の成長を促すポイント

・目標の設定

目標設定により自分の課題を明確にし、その課題を克服することで待っている未来を想像します。例えば、何歳までにこのスキルを得ていれば、このような役職に就けるといった具体的なものがあると、現在何をしなければいけないかが明確になります。

・継続的な教育とトレーニング

通常の業務が忙しいと、すぐに結果が出ない人材育成は後回しにされがちです。
長期的な視点から継続可能な教育やトレーニングプログラムを提供し、従業員が新しいスキルや知識を習得できる機会を提供します。企業が学習を奨励し、成長を支援することで、従業員の能力が向上します。

・フィードバックと評価

成果を定期的にフィードバックし、評価することで、従業員のモチベーションや自己成長意欲を促進します。成果を認め、成長を支援することで、学習への取り組みを継続させます。

人材育成は企業の持続的な成長と競争力強化に不可欠です。従業員のスキルや能力向上を通じてイノベーションを促進し、自己実現やキャリアパスを見出すことで、離職率を低減させます。

企業は人材育成を積極的に推進し、従業員の成長と企業の発展を両立させることが重要であると言えます。

まとめ

少子高齢化が進む現代社会では、労働者不足が深刻な課題となっています。

労働者不足の解決方法の一つとして、採用の強化と離職率を下げるということを取り上げました。外国人労働者の受け入れを積極的に推進することも有効です。

他には若手の教育・育成にも注力する必要があります。若手層に対して、適切な教育プログラムやキャリア支援を提供することで、将来の労働力を確保し、組織や社会全体の持続的な発展を促進します。

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これらの取り組みを総合的に推進することで、労働者不足の解消に向けた効果的な対策を打つことが可能となります。

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